はじめに
採石現場では、刻々と変化する現場の状況を把握しながら、安全かつ効率的に作業を進めることが求められます。しかし、目視や紙の図面、担当者ごとに管理された情報だけでは現場全体の状況をタイムリーに把握することが難しく、次のような課題が生じる要因となっています。
| 場面 | よくある課題 |
|---|---|
| 測量・データ処理 | 測量やデータ処理に時間がかかり、現在の地形や採掘量をすぐに把握できない |
| 計画との差異・走路 | 採掘計画と実際の地形との差や、運搬路の勾配・状態を確認しにくい |
| 運搬・安全 | ダンプトラックの位置や運搬状況が見えず、待ち時間や車両同士の接近リスクを把握しにくい |
本記事では、こうした採石現場の課題に対して、Smart Constructionのソリューションを活用してどのように解決できるのかをご紹介します。

Smart Construction®とは
建設生産プロセスの全工程を3Dでつなぎ、工事前の地形から完成地形までを、より速く、より少ない人員で、安全でクリーンに実現する新しい施工手法です。
採石現場で役立つ、3つの見える化
採石現場では、掘った量も、計画とのズレも、ダンプの動きも、現場を回って目で確かめるしかない場面が多くあります。測量は月に一度、結果が出るのは数日後。気づいたときには手戻りが発生している、ということも珍しくありません。
しかし、ドローンで撮った地形データと、車両の走行記録。この2つを重ねるだけで、これまで見えなかった現場の状況が数字とマップで把握できます。ここでは、採石現場で特に効果の大きい3つの見える化を紹介します。
| 見える化する対象 | 確認できること |
|---|---|
| 採掘の進捗と土量 | 地形データを比較し、採掘の進み具合や土量の変化を確認します。 |
| 計画との差異と走路 | 現在の地形と計画を重ね、差異や走路の距離・勾配を確認します。 |
| 運搬と安全の状況 | 車両の位置や運搬実績、接近状況を確認し、効率化と安全管理に役立てます。 |
次に、これらの情報を日々の業務でどのように活用するのか、具体的な流れをご紹介します。

日々の活用フロー
異なる時点の地形データを比較することで、採掘や盛土による地形の変化を色と数値で確認できます。ヒートマップでは、掘削・盛土が行われた範囲や変化量を面的に把握できます。断面図では、指定した位置の地形を時系列で比較し、どこをどの程度掘り進めたかがわかります。採掘の進捗確認や土量管理、関係者間での現場状況の共有に役立ちます。
ヒートマップ

断面図


地形データ上で任意の区間を指定すると、走路や作業場所の距離・勾配を数値で確認できます。急勾配になっている箇所や、走行時に注意が必要な区間を把握できるため、走路の見直しや改善を検討する際の判断材料になります。また、地形上に色分けしたエリアやピン、コメントなどの注釈を追加することで、掘削範囲や原石の品質区分、注意箇所を分かりやすく示せます。現場の状況や作業上の注意点を関係者間で共有し、認識をそろえるためにも活用できます。
勾配

注釈

積込み・荷降ろしの回数や時刻、運搬実績の推移を確認することで、採掘・運搬作業の進捗を把握できます。実績をもとに、車両の配車や作業順序を見直す際の判断材料として活用できます。
また、車両同士や車両と作業員が接近した際に通知し、スマートフォン上で周辺車両の位置を確認できます。接近リスクの共有や、現場の安全管理に役立ちます。
採掘量と運搬実績

接近通知








