2026
09
08

ICT施工に欠かせないドローン測量とは?

ICT施工に欠かせないドローン測量について、初心者向けに分かりやすく解説

はじめに

建設業界では、少子高齢化や人手不足への対応、生産性向上を目的としてICT施工の導入が進んでいます。国土交通省が推進するi-Constructionでも3次元データを中心とした施工管理が一般的になりつつあり、その最初の工程となるのがドローンによる3次元測量です。一方で、従来の測量方法のままでは次のような課題が生じやすくなります。

場面よくある課題
測量・データ処理SDカードの回収からPCへのコピー、クラウドへのアップロード、SfM解析まで工程が多く、点群ができるまでに時間がかかる
3次元データの取得横断測量では取得できる情報が限られ、盛土・切土・法面など現場全体を面的に把握しにくい
通信環境・安全通信が不安定な現場ではRTKを使いにくく、法面や採石場など人が立ち入りにくい場所の測量に手間がかかる

本記事では、ICT施工でドローン測量が欠かせない理由と導入メリット、そしてSmart Construction Edgeによる現場完結型の活用方法をご紹介します。

ICT施工とは

ICT施工とは、測量・設計・施工・検査までの各工程でデジタル技術を活用し、建設プロジェクト全体の効率化を図る施工方法です。それぞれの工程で3次元データを共通の基準として扱う点が特徴です。

STEP 1

測量

ドローンで現況地形を撮影し3次元点群として取得するイメージ

ドローンで現況地形を撮影し、3次元点群として取得します。

STEP 2

設計

現況地形をもとに作成した3次元設計データ

取得した現況地形をもとに、3次元設計データを作成します。

STEP 3

施工

3次元設計データをICT建機へ連携して施工する様子

3次元設計データをICT建機へ連携し、施工を進めます。

STEP 4

検査

出来形を3次元で計測し帳票にまとめた検査のイメージ

出来形を3次元で計測し、土量管理や成果品作成に活用します。

測量から検査まで、同じ3次元データを引き継いで使うことがICT施工の基本的な考え方です。

なぜICT施工でドローン測量が重要なのか

従来の測量では、トータルステーション、GNSS測量、横断測量などが中心でした。しかしICT施工では、3次元設計データ、ICT建機、土量管理、出来形管理など、多くの工程で3次元データが必要になります。

そのため、現況地形を効率よく3次元化できるドローン測量は、ICT施工の入り口となる重要な工程です。ここで取得したデータの質と鮮度が、後続の設計・施工・検査すべてに影響します。

起工測量から出来形管理まで、同じ3次元データを使い続けられることが、ICT施工でドローン測量が選ばれる理由です。

Smart Construction Edgeとは

Smart Construction Edgeは、ドローンで撮影した写真から3次元点群を生成する、現場完結型のエッジコンピューターです。クラウドや外部PCを使わず、現場で処理を完結できるよう最適化されています。

比較点群ができるまでの流れ
一般的なドローン測量SDカードを回収 → PCへコピー → クラウドへアップロード → SfMソフトで解析
Smart Construction Edge本体だけでPPK解析・RTK解析・SfM処理・点群生成までを実施

RTK・PPKの両方式に対応

ICT施工では測量精度が重要です。Smart Construction EdgeはRTKフライトとPPKフライトの両方に対応しており、通信環境が安定している現場ではRTK、不安定な場所ではPPKを利用するなど、現場条件に応じた運用が可能です。

RTKフライト

衛星信号を受信したSmart Construction Edgeが補正情報をリアルタイムでドローンへ送信する図

衛星信号を受信したSmart Construction Edgeが、補正情報をリアルタイムでドローンへ送信します。飛行しながら位置を確定できるため、通信環境が安定している現場に適しています。

PPKフライト

ドローンとSmart Construction Edgeがそれぞれ記録した衛星データを飛行後に照合する図

ドローンとSmart Construction Edgeがそれぞれ衛星データを記録し、飛行後に照合して位置を確定します。リアルタイム通信を必要としないため、電波が届きにくい現場でも運用できます。

ドローン測量で取得できるデータ

ドローンで撮影した写真は、SfM(Structure from Motion)処理によって3次元データへ変換されます。Smart Construction Edgeでは点群だけでなく、オルソ画像・DSM・DTMも同時に生成でき、設計、施工、出来形管理まで一貫して活用できます。

3次元点群

点の集合で地形を3次元化

現況地形の3次元化。設計データとの差異確認や土量計算の基礎データになります。

オルソ画像

N真上から・ゆがみを補正

ゆがみを補正した真上からの画像。現況確認や施工記録として利用できます。

DSM(数値表層モデル)

建物・樹木を含む表層の高さ

建物や樹木を含む表層の高さデータ。現場全体の状況把握に利用します。

DTM(数値地形モデル)

地表面だけの高さ点線=除外した建物・樹木

地表面の高さデータ。土量計算やICT建機へのデータ連携に利用します。

AIによる不要物除去

施工現場では、ダンプトラックやバックホウ、作業員、仮設資材などが写真へ写り込みます。Smart Construction EdgeではAIが不要物を判定し、建物・車両・植生・路面・養生シートなどを除去対象として処理できます。後処理の工数削減につながる機能です。

除去前

重機や作業員、仮設資材が点群に含まれ、地形の判読や土量計算の妨げになります。

重機・車両・作業員が混在

除去後

不要物を取り除き、地形そのものを表す点群として設計・出来形管理に利用できます。

地形のみの点群
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ICT施工におけるドローン測量のメリット

ドローン測量をICT施工へ取り入れることで、作業時間、現場把握、安全の3つの面で効果が期待できます。

  • 作業時間を大幅に短縮できる

    約2ha最短約150秒

    広い造成現場でも短時間で計測できます。Smart Construction Edgeでは撮影画像を本体内で高速処理し、約2ヘクタールの現場を最短約150秒で3次元データ化できることが紹介されています。

  • 現場全体を3次元で把握できる

    盛土切土法面仮設道路

    盛土、切土、法面、仮設道路など、現場全体を面的に把握できます。取得できる情報が限られていた横断測量に比べ、施工計画の精度向上にもつながります。

  • 危険箇所の測量が容易になる

    安全な位置法面

    法面や採石場、河川工事などでは、人が立ち入りにくい場所もあります。ドローンを活用することで、安全な場所から効率よく測量できます。

RTK固定局としても利用可能

Smart Construction Edgeは点群生成だけではありません。固定局モードへ切り替えることで、LTE・Wi-Fi・外部無線を利用したRTK補正情報の配信にも対応しています。1台で複数の役割を担える点が特徴です。

  • ドローン

    Smart Construction Edge(固定局)RTKフライト

    RTKフライト時の補正情報を配信し、基準局を別途用意せずに高精度な測量を行えます。

  • ICT建機

    Smart Construction Edge(固定局)マシンガイダンス

    マシンガイダンス・マシンコントロールを行う建機へ補正情報を配信できます。

  • GNSSローバー

    Smart Construction Edge(固定局)丁張り・出来形確認

    丁張りや出来形確認などで使用するローバーへも補正情報を配信できます。

Smart Construction Dashboardとの連携

生成した点群データはSmart Construction Dashboardへアップロードできます。現況地形の確認、土量管理、施工進捗、出来高確認、関係者との情報共有などを行うことができ、ドローンで取得したデータを継続的な施工管理へ活用できる点が特徴です。

SMART CONSTRUCTION DASHBOARD

地形・土量を把握

点群データで現況を3次元化。距離、勾配、面積、体積、計画との差異を確認します。

取得から共有までの流れ

ドローンで取得した現況をSmart Construction Edgeで点群化し、Dashboardへアップロード。関係者が同じ画面で現場の状況を確認できます。

取得Smart ConstructionEdgeDashboard関係者で共有

i-Constructionにも対応

Smart Construction Edgeはi-Constructionを意識した機能を備えており、成果品作成までサポートします。

機能内容
精度検証i-Construction精度検証および垂直精度検証に対応しています。
帳票出力精度試験報告書やカメラキャリブレーション結果を出力できます。
データの持ち出しUSBへの帳票出力に対応し、事務所での書類作成にそのまま利用できます。

対応ドローン

Smart Construction Edgeは、以下のようなRTK対応ドローンに対応しています。対応機種は順次拡大されています。

  • DJI Phantom 4 RTK
  • DJI Mavic 3 Enterprise
  • DJI Matrice 4E
  • DJI Matrice 300 RTK(Zenmuse P1)
  • DJI Matrice 350 RTK(Zenmuse P1)
  • DJI Matrice 400 RTK(Zenmuse P1)

よくある質問

ICT施工では必ずドローン測量が必要ですか?

工事内容によって異なりますが、起工測量や出来形管理ではドローン測量が採用されるケースが増えています。広い範囲の現況を短時間で3次元化できるため、3次元設計データやICT建機を使う工事とは特に相性がよい方法です。

S

Smart Construction Edgeはクラウドが必須ですか?

いいえ。点群生成やPPK解析などは本体内で実施できるため、通信環境が限られる現場でも処理を完結できます。必要に応じて、生成したデータをSmart Construction Dashboardへアップロードして共有することも可能です。

S

ICT施工ではどのような成果物が作成できますか?

3次元点群、オルソ画像、DSM、DTMのほか、i-Construction向けの精度検証レポートや帳票も出力できます。これらは現況確認、土量計算、ICT建機へのデータ連携、施工記録まで一貫して活用できます。

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