初めに
前章では、Smart Construction Edge2(以下、Edge2)の概要や、エッジコンピューティングという考え方について解説しました。本章では、Edge2が実際の建設現場でどのような役割を果たし、どのような業務を効率化できるのかを詳しく紹介します。
1. ドローン写真から高精度な3次元点群を生成
Edge2の中核となる機能が、ドローン写真からの三次元点群生成です。
ドローンで撮影した多数の画像を解析し、地形や構造物を立体的に再現した点群データを生成します。
一般的な写真は「画像」ですが、点群データは一つひとつの点がX座標、Y座標、Z座標を持っています。そのため、標高、勾配、法面形状、土量などを数値として解析できます。
Edge2では、この処理を本体内で実施できるため、高性能PCやクラウドサービスを必須としません。
2. PPK解析による高精度な位置情報
建設測量では、写真だけでなく「どこで撮影されたか」が重要になります。
Edge2はPPK(Post Process Kinematic)に対応しています。
PPKでは、Edge2で取得したGNSSログとドローンの飛行ログを飛行後に解析することで、高精度な撮影位置を算出します。
リアルタイム通信に依存しないため、通信環境が不安定な現場でも安定した運用が期待できます。
3. RTKフライトデータの解析
RTK対応ドローンで撮影したデータも処理できます。
RTKフライトでは、飛行中に補正情報を受信しながら撮影を行います。
Edge2では、RTKフライトデータを読み込み、そのまま点群生成へ利用できます。
現場条件に応じて、RTKとPPKを選択できることは、大きなメリットです。
4. AIによる不要物除去
建設現場では、撮影時にダンプトラック、バックホウ、作業員、仮設資材などが写り込みます。これらを手作業で除去するには、多くの時間が必要です。
Edge2ではAIが画像や点群を解析し、建物、車両、低植生、路面、養生シートなどを分類して不要物除去を行えます。対象カテゴリは用途に応じて選択でき、施工管理や土量計算に適した点群作成を支援します。
不要物除去前
不要物除去後
5. オルソ画像の生成
Edge2では点群だけではなく、オルソ画像も生成できます。
オルソ画像とは、位置情報を持った航空写真です。現場全体を真上から見た状態で確認でき、現況確認、施工進捗、発注者との共有などに利用されています。
GeoTIFF形式で出力できるため、GISソフトとの連携にも適しています。
6. DSM・DTMの生成
高さ情報を利用するために、DSM・DTMも生成できます。
DSM
建物や樹木を含めた地表モデルです。
DTM
不要物を除去した地盤モデルです。
土量管理や設計との比較にはDTMが利用されることが多く、Edge2では不要物分析と組み合わせて生成できます。
7. 点群ビューアーでその場で確認
Edge2には点群ビューアーが搭載されています。
生成したデータをその場で確認できるため、「会社へ戻って初めて確認する」ということがありません。
ビューアーでは、点群、オルソ画像、DSM、DTM、不要物除去後の点群などを切り替えて表示できます。さらに、飛行経路や撮影写真の位置も確認できます。
道路工事現場
河川工事現場
採石場
造成地
8. 土量確認機能
Edge2では、生成済みの二つの点群を比較し、土量を自動計算できます。
確認できる項目は、盛土量、切土量、差分です。また、任意地点を指定して、その場所の標高差を確認することもできます。
施工進捗の確認にも活用できる便利な機能です。
9. RTK固定局として利用
Edge2は、点群生成だけではありません。固定局モードへ切り替えることで、RTK補正情報を配信できます。
対応方式はLTE、Wi-Fi、外部無線です。一台で点群生成とRTK固定局の両方を兼ねられることは、Edge2ならではの特徴です。
Smart Construction Edge2
RTK固定局
RTK補正情報の配信イメージ
10. Smart Construction Dashboardとの連携
現場で生成したデータは、Smart Construction Dashboardへ送信できます。
Dashboardでは、現況確認、土量管理、施工進捗確認、データ共有などを行えます。
現場・事務所・協力会社が同じ三次元データを確認できるため、情報共有がスムーズになります。
11. i-Constructionへの対応
Edge2は、i-Constructionで求められる成果品の作成にも対応しています。
搭載されている主な機能は、垂直精度検証、i-Construction精度検証、GCP精度確認、カメラキャリブレーション結果出力、精度試験報告書用データ出力などです。
USBへ帳票を書き出すことで、提出資料の作成効率化にも役立ちます。
垂直精度検証
i-Construction精度検証
GCP精度確認
帳票出力・USB
Edge2で実現できる建設DX
Edge2が提供する価値は、「点群生成」だけではありません。
現場では、測量、データ解析、施工管理、情報共有、出来形管理まで、一連の業務がつながっています。
Edge2は、それぞれを一台でつなぐプラットフォームとして設計されています。
測量
現場をドローンで撮影します。
データ解析
点群やオルソ画像を生成します。
施工管理
土量や進捗を確認します。
情報共有
関係者が同じデータを確認します。
出来形管理
成果品や帳票の作成につなげます。
こんな現場におすすめ
Edge2は、以下のような現場で特に効果を発揮します。
宅地造成
道路工事
河川工事
ダム工事
採石場
法面工事
太陽光発電所造成
工場造成
港湾工事
広い現場ほど、その効果を実感しやすいでしょう。
写真・画面画像:ご提供のSmart Construction Edgeガイドブックを参照
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