Edge test

2026
08
05

初めに

前章では、Smart Construction Edge2(以下、Edge2)の概要や、エッジコンピューティングという考え方について解説しました。本章では、Edge2が実際の建設現場でどのような役割を果たし、どのような業務を効率化できるのかを詳しく紹介します。

建設現場でSmart Construction Edgeと端末を確認する作業員
ドローン、Smart Construction Edge、作業員がいる建設現場
現場でドローン測量とデータ処理を連携するイメージ

1. ドローン写真から高精度な3次元点群を生成

Edge2の中核となる機能が、ドローン写真からの三次元点群生成です。

ドローンで撮影した多数の画像を解析し、地形や構造物を立体的に再現した点群データを生成します。

一般的な写真は「画像」ですが、点群データは一つひとつの点がX座標、Y座標、Z座標を持っています。そのため、標高、勾配、法面形状、土量などを数値として解析できます。

Edge2では、この処理を本体内で実施できるため、高性能PCやクラウドサービスを必須としません。

点群データを表示しているタブレット画面
三次元点群の表示例

2. PPK解析による高精度な位置情報

建設測量では、写真だけでなく「どこで撮影されたか」が重要になります。

Edge2はPPK(Post Process Kinematic)に対応しています。

PPKでは、Edge2で取得したGNSSログとドローンの飛行ログを飛行後に解析することで、高精度な撮影位置を算出します。

リアルタイム通信に依存しないため、通信環境が不安定な現場でも安定した運用が期待できます。

3. RTKフライトデータの解析

RTK対応ドローンで撮影したデータも処理できます。

RTKフライトでは、飛行中に補正情報を受信しながら撮影を行います。

Edge2では、RTKフライトデータを読み込み、そのまま点群生成へ利用できます。

現場条件に応じて、RTKとPPKを選択できることは、大きなメリットです。

建設現場で固定局を設置しドローンを飛行させている作業員
現場条件に応じてRTK・PPKを活用
Smart Construction Edge2についてのお問い合わせはこちら

4. AIによる不要物除去

建設現場では、撮影時にダンプトラック、バックホウ、作業員、仮設資材などが写り込みます。これらを手作業で除去するには、多くの時間が必要です。

Edge2ではAIが画像や点群を解析し、建物、車両、低植生、路面、養生シートなどを分類して不要物除去を行えます。対象カテゴリは用途に応じて選択でき、施工管理や土量計算に適した点群作成を支援します。

不要物除去前

車両や建物が含まれる点群データの画面

不要物除去後

不要物を除去した点群データの画面

5. オルソ画像の生成

Edge2では点群だけではなく、オルソ画像も生成できます。

オルソ画像とは、位置情報を持った航空写真です。現場全体を真上から見た状態で確認でき、現況確認、施工進捗、発注者との共有などに利用されています。

GeoTIFF形式で出力できるため、GISソフトとの連携にも適しています。

建設現場を上空から撮影した航空写真
オルソ画像の元となる現場俯瞰データ

6. DSM・DTMの生成

高さ情報を利用するために、DSM・DTMも生成できます。

DSM

建物や周辺物を含む点群表示画面

建物や樹木を含めた地表モデルです。

DTM

不要物を除去した地盤点群表示画面

不要物を除去した地盤モデルです。

土量管理や設計との比較にはDTMが利用されることが多く、Edge2では不要物分析と組み合わせて生成できます。

7. 点群ビューアーでその場で確認

Edge2には点群ビューアーが搭載されています。

生成したデータをその場で確認できるため、「会社へ戻って初めて確認する」ということがありません。

ビューアーでは、点群、オルソ画像、DSM、DTM、不要物除去後の点群などを切り替えて表示できます。さらに、飛行経路や撮影写真の位置も確認できます。

点群、オルソ画像、DSM、DTMを切り替えられるビューアー画面
実際のビューアー画面
建設現場を飛行するドローンと点群計測の可視化
飛行経路・測量状況の確認イメージ

道路工事現場

道路工事現場の空撮写真

河川工事現場

河川工事現場の写真

採石場

採石場の写真

造成地

上空から撮影した造成地の写真

8. 土量確認機能

Edge2では、生成済みの二つの点群を比較し、土量を自動計算できます。

確認できる項目は、盛土量、切土量、差分です。また、任意地点を指定して、その場所の標高差を確認することもできます。

施工進捗の確認にも活用できる便利な機能です。

パソコンとスマートフォンで切土量、盛土量、面積を表示している画面
標高差・盛土量・切土量・差分を画面上で確認

9. RTK固定局として利用

Edge2は、点群生成だけではありません。固定局モードへ切り替えることで、RTK補正情報を配信できます。

対応方式はLTE、Wi-Fi、外部無線です。一台で点群生成とRTK固定局の両方を兼ねられることは、Edge2ならではの特徴です。

Smart Construction Edge2

Smart Construction Edge本体

RTK固定局

固定局を設置してドローン測量を行う建設現場

RTK補正情報の配信イメージ

10. Smart Construction Dashboardとの連携

現場で生成したデータは、Smart Construction Dashboardへ送信できます。

Dashboardでは、現況確認、土量管理、施工進捗確認、データ共有などを行えます。

現場・事務所・協力会社が同じ三次元データを確認できるため、情報共有がスムーズになります。

Smart Construction Dashboardで点群と進捗を表示しているノートパソコン
Smart Construction Dashboardで現況と進捗を確認
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11. i-Constructionへの対応

Edge2は、i-Constructionで求められる成果品の作成にも対応しています。

搭載されている主な機能は、垂直精度検証、i-Construction精度検証、GCP精度確認、カメラキャリブレーション結果出力、精度試験報告書用データ出力などです。

USBへ帳票を書き出すことで、提出資料の作成効率化にも役立ちます。

垂直精度検証

現場で測量機器を使用して精度を確認する作業員

i-Construction精度検証

ICT施工Stage IIの取組事例資料

GCP精度確認

法面を確認する測量担当者

帳票出力・USB

事務所で測量データと帳票を確認する担当者

Edge2で実現できる建設DX

Edge2が提供する価値は、「点群生成」だけではありません。

現場では、測量、データ解析、施工管理、情報共有、出来形管理まで、一連の業務がつながっています。

Edge2は、それぞれを一台でつなぐプラットフォームとして設計されています。

STEP 01

測量

現場をドローンで撮影します。

STEP 02

データ解析

点群やオルソ画像を生成します。

STEP 03

施工管理

土量や進捗を確認します。

STEP 04

情報共有

関係者が同じデータを確認します。

STEP 05

出来形管理

成果品や帳票の作成につなげます。

こんな現場におすすめ

Edge2は、以下のような現場で特に効果を発揮します。

01 / SITE

宅地造成

大規模な造成工事現場
02 / SITE

道路工事

山間部の道路工事現場
03 / SITE

河川工事

河川沿いの工事現場
04 / SITE

ダム工事

上空から見た掘削工事現場
05 / SITE

採石場

重機が稼働する採石場
06 / SITE

法面工事

ドローン測量を行う法面工事現場
07 / SITE

太陽光発電所造成

上空から見た広い造成用地
08 / SITE

工場造成

固定局とドローンを使用する造成現場
09 / SITE

港湾工事

広い土工現場

広い現場ほど、その効果を実感しやすいでしょう。

写真・画面画像:ご提供のSmart Construction Edgeガイドブックを参照

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